紀伊半島新宮市 千穂ヶ峯 (253m) 2010年12月30日

所要時間 7:09 駐車場−−7:28 登山道−−7:38 千穂ヶ峯−−7:58 三本杉登山口

概要
 熊野速玉大社付近から登る。メジャーな山で複数のルートがあるはずだが、なぜだか付近に登山口の案内標識は皆無で最初から迷いに迷って登山道のない場所から登った。下山時に分かったが、登山口は人家の軒先を通るような細い道で、案内が無いと絶対に分からない。山頂は樹林で見晴らし無し。



 千穂ヶ峯は新宮市市街地のすぐ西側にあり、ガイドブックにも記載された低山だ。登山ルートはいくつかあるようだが、何せ市街地にあるので車を置く場所がない。市街地は軽自動車でないと入るのが怖いような細い路地が多く、とても路上駐車できそうにない場所ばかりだった。そこで熊野川河川敷に車を置いて歩くことにした。ここからだと熊野速玉大社から登るルートが最寄りとなる。ガイドブックの地図によると神社前の道を西のどん詰まりまでいくと登山口があるようだ。

車は熊野川河川敷に置く 駐車場から登り始める。道無し

 まだ早朝で薄暗い時間に出発。神社の前の道を西に進んでいくと終点は駐車場。周囲を見ても登山口の案内標識は無い。ちょうど地元住民が朝の散歩中で登山口を聞くと、ここではなく神社前の池を南に入ったところにあると言う。戻って神社前に行くと防火水槽のような四角い池があり、そこから南に入ってみたが周囲は急斜面で、斜面に取り付けそうな場所は人家しかない。案内標識も皆無でもっと南側かと思って南下したが、一向に案内標識は登場しない。既に1時間近く登山口探しに費やしており、これだったら道にこだわらず適当に登って入れば既に下山できた時間だ。登山口探しは諦めて適当な場所から登ることにした。

小さな谷を登る シダ籔を登る

 取り付くといっても周囲はほとんど宅地で、最初に向かった駐車場くらいしか取り付けそうな場所はなかった。駐車場の奥に斜めに登る道があってラッキーと思ったが20m程度で消えてしまう。小さな沢があったのでまずはそれを遡上、左手の斜面を登り始めた。杉の植林帯の下は西日本で見られるイヤらしいシダ籔で、急斜面ではけっこう手間取る。斜面の一部は崩落してシダが埋もれている部分だけは楽に歩けた。なぜかこんな籔の斜面にピンクリボンがぶら下がっていた。

シダ藪帯を突破 明瞭な尾根に乗る
そろそろ登山道 登山道に合流

 傾斜がやや緩んで尾根が明瞭化するとシダは消えて歩きやすくなる。このまま上を目指して登っていけば、そのうちにどこかで登山道にぶち当たるだろう。たぶんそこはもっと大きな尾根上だろうと予想した。尾根上にシダが現れて左手の斜面に逃げて登ると太い尾根に合流、そこには明瞭な登山道が通っていた。さて、この道はどこから登っているのだろうか。

急な階段を登る 山頂直下
千穂ヶ峯 山頂の解説標識

 道が登場すれば藪漕ぎから解放され、山頂まで淡々と上がるだけだ。山頂直下はかなりの傾斜でグイグイと登り、ひょっこりと山頂に到着した。周囲は樹林で展望は無く、真ん中に頭が赤く塗られた三角点が立っていた。東側には説明板があり、その山名は千穂ヶ峯ではなく権現山であった。南北に走る主稜線にも登山道があり、南は「牛の背分岐」、北は「三本杉登山口」となっていた。三本杉の位置がどこなのか不明だが、北に向かうのであれば車を置いた河川敷の方向なので行ってみることにした。これで登山口の1つの位置がはっきりするはずだ。

三本杉登山口に向かう 崩壊個所。でも危険なし
淡々と下る 倒木もある
通行止めのフェンス 1年以上前のお話だが・・・

 明瞭な道を下っていくと、ほぼ主稜線を通っているようだ。1か所だけ倒木が倒れかかって迂回する個所があったが概ねよく整備された道が続く。いくつか分岐があったが一番明瞭な道を選んで歩く。やがて平坦地に出て眼下に家屋が見える位置にくると道が四分五裂して本道がどれなのか分からなくなった。素直に尾根をまっすぐ下ろうかと思ったら右手(南)に工事用フェンスが見えたので見てみると、2010年秋の台風で登山道崩壊のため通行止めと書かれていた。札がかかっているのは下から登ってくる人に見える側で、これが登山道であった。まあ、確かに崩れた個所はあったが通行止めにするほどの危険はもうないと思うのだが。

この地図が神社付近に欲しかった ここが三本杉登山口。人家横の細い路地
路地を下る 車道に変身
三本杉登山口への分岐 三本杉登山口付近の地図

 フェンスの横から登山道に入って明瞭な道を下っていくと家屋が近づいてきた。途中に案内地図があり、ここが三本杉登山口であること、それと朝に道を教えてもらったジモティーの話通りの位置に登山道が書かれていることも分かった。ということは、あの人家の前を通っていけば道があったということか。人家のあった谷以外は急斜面で登れそうな場所は無かったからな。標識のすぐ先で人家の路地に出て、直進していくと車道に変わり、神社前の通りと合流した。これは逆方向から来た場合、標識が無いと絶対に登山口は分からない。この路地は最後は人間が通ることしかできない細い道になって人家で終点となりそうな雰囲気だから、途中で引き返すのが普通だろう。ここはぜひとも案内標識が欲しいところだ。
 

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